半導体市場に「ギガサイクル」到来、AI需要で2028年に1兆ドル規模へ
AI インフラ需要の急拡大により、半導体市場が従来のサイクルを超える「ギガサイクル」に突入。2028〜2029年には市場規模が1兆ドルに達する見通しです。
AI インフラストラクチャへの需要が急拡大する中、世界の半導体市場が従来の成長サイクルを超える「ギガサイクル(Giga Cycle)」に突入したとの分析が発表されました。市場調査会社 Creative Strategies のレポートによると、2024年に6,500億ドルだった半導体市場規模は、2028〜2029年には1兆ドルに達する見通しとのことです。
引用元情報
The Semiconductor Gigacycle https://creativestrategies.com/research/the-semiconductor-giga-cycle/
「ギガサイクル」とは何か
レポートでは、過去の PC、スマートフォン、クラウドといった成長サイクルとは異なる新たな現象として「ギガサイクル」を定義しています。AI がもたらす需要は、コンピューティング、メモリ、ネットワーキング、ストレージの全領域で同時にボトルネックを生み出しており、これが従来のサイクルと根本的に異なる点だと説明されています。
GPU・カスタムシリコン市場の急拡大
GPU 市場では、NVIDIA が2025年に出荷量で85%の成長を達成すると予測されており、2026年も50〜60%の成長が続く見込みとのことです。また、Google、Meta、Amazon、Microsoft といった大手テック企業が自社開発を進める ASIC(特定用途向け集積回路)市場は、2027年までに年平均成長率(CAGR)119%で拡大すると見られています。
メモリ「スーパーサイクル」の到来
AI ワークロードに不可欠な HBM(高帯域幅メモリ)市場は、2030年までに4倍以上の1,000億ドル超へと成長する見通しです。また、エンタープライズ向け SSD 需要も2030年には400億ドル台半ばに達すると予測されています。RAG(検索拡張生成)などの技術普及により、AI 推論におけるストレージ需要が急増していることが背景にあるとのことです。
製造設備への大規模投資
こうした需要に応えるため、2030年までに1兆ドル規模の新規半導体製造施設への投資が計画されています。TSMC の先端パッケージング技術「CoWoS」や、800G/1.6T ネットワーク、光インターコネクト技術への投資も拡大しており、AI インフラ全体のエコシステムが急速に整備されつつあると報告されています。
今後の展望
レポートでは、AI 需要が単なる一時的なブームではなく、半導体産業全体を構造的に変革する長期トレンドであると結論づけています。GPU、カスタムシリコン、メモリ、ストレージ、ネットワーキングの全領域で同時に需要が拡大する「ギガサイクル」は、今後数年間にわたって半導体業界の成長を牽引し続ける見通しです。